メルマガ第63回 肩甲骨と腕の連動をつける

スポーツや武道で「肩甲骨から腕を動かせ」と言われることがありますが、具体的にどうすればいいか指導されることはほとんど無いと思います。

腕をひねるという簡単な操作で肩甲骨の回旋運動と腕の動きを連動させることができます。
連動したときの緩んだ感覚を感じることが重要です。
連動した感じを維持したまま腕を曲げ伸ばししていると肩甲骨から腕を動かすことができるようになります。 連動した状態で腕を動かすと相手に力が伝わりやすくなります。
また、気が通りやすくなるため施術家の方は効果を出せるようになります。

やってはいけないストレッチ 肩編

以前の記事で多くの研究でストレッチでパフォーマンスが落ちるという結果になっていることをご紹介しました。
ストレッチが悪いのではなく、ストレッチのやり方に問題があります。
パフォーマンスが落ちる理由は主に次の2つです。
1.関節本来の螺旋の動きを無視している
2.伸ばしすぎて伸張反射が起きる

今回は肩のストレッチを取り上げます。
よく腕を胸につけるようにして伸ばすストレッチを見ますが、これは体を硬くしてしまう動きです。

なぜ硬くなるかというと、腕を水平に内外に動かすときは肩甲骨も水平方向に動きますが、これは肩甲骨本来の動きから外れているからです。
肩甲骨は本来回りながら上下に動きます。
本来の動きができると可動域が改善し、力が出やすくなります。

回しながら動かして抵抗を感じたら、皮膚をずらす技法で待っていると動きを妨げていた部分が緩みます。
たいていは肋骨や腸骨など肩から離れた部分が動きを妨げています。
このストレッチについては別の動画で詳しく説明する予定です。

効果の出ないストレッチでも「続けていけば柔らかくなります」と言って指導する人が多いようです。
筋トレと違って、その場で効果の出ないストレッチは続けても効果が出ません。

メルマガ第62回 胸部をゆるめる

肩こりの方は胸部が固くなっていることがほとんどです。
先に胸部を緩めると背中側も緩みやすくなります。
特定の角度で皮膚をずらすことで胸部を緩めることができます。
胸部についても肋骨や腸骨の際の緊張が影響しています。

ゆるむ角度を見つけるには感覚を養うことが重要になります。
押しつけるように触れると緩められません。

浮き身~素早く動く

このブログや拙著で紹介している「根づき」ができると重心が下がった安定感を感じます。
このときに地面反力が身体を通ります。
この力によって体が支えられて、浮いたような体感が生じます。
この体感を心身楽道では「浮き身」と呼んでいます。
(人によって違う意味で使っていることがあります)。

安定感と浮いたような体感は相反するように思えますが、同時に生じます。
重心が下がる感覚に注目すると根づき、浮いている感覚に注目すると浮き身となります。
拙著では根づき/浮き身と表記しています。

根づき/浮き身ができたときに上向きの地面反力が身体に通ります。
この力の流れに乗るようにすると踵がフワッと浮きます。
(踵が勝手に上がるということではなく、上げようと思えば簡単に上がるという意味です)。
動画では肩を押さえられていても踵を上げられることを示しています。

浮き身ができるとすばやく動くことができます。
普通に立っているときは無意識に力んでいるため、たとえば腕を動かしても体は動きません。
腕と肩甲骨の動きが連動していないのです。
前のめり(つま先重心)になっていると、前方には腕につられて動きますが、横方向に対しては動きません。

この状態を武道では「居着いている」といいます。
居着いている状態から動くには地面を蹴った反動で動きます。
そのため、動き出しが一瞬遅れることになります。
武道ではこの一瞬が勝負を分けるとされます。

浮き身ができて力みが抜けると、身体の動きの連動性が高まります。
腕が動くときは肩甲骨、体幹、脚も連動するため体がつられて動きます。
また、動く前から地面反力を通している状態になっているため地面を蹴る必要がありません。
浮き身ができると居着かなくなります。

動こうと思った瞬間にさっと動ける状態です。
野球の守備やテニス、バレーボールなど、スポーツでは基本的には地面を蹴って動きますが、浮き身ができるとそれより一瞬早く動けることになります。

姿勢と体の柔らかさ

前回、「根づきの状態になると背中の緊張が取れて楽になります」と書きました。
「耳、大転子、くるぶしを一直線にする」「頭、お尻、踵を壁につける」といった指導を正しい姿勢として教えられることが多いのですが、踵に重心が偏って背中に力みが生じます。
この状態では可動域は狭くなっています。

根づきができると地面反力で身体を支えている状態になり、力みが抜けて可動域は広がります。
立位でストレッチなどを行う場合は根づきの状態にしておくと効果が出やすいことになります。

動画では肩の外転(腕を横から上げる動き)、体の側屈と回旋を見ています。
根づきにするだけで可動域が大幅に変わることが分かります。

整体などの施術で可動域が改善しても姿勢によってはすぐに可動域が戻ってしまうことになります。
ほとんどの人が本来は動きをコントロールするのに使う筋肉を身体を支えるのに使ってしまっているのです。

筋肉が緊張する姿勢や動作を修正する必要があります。
背中が緊張しているなら根づきの姿勢を指導すればよいことになります。
歪みやコリだけを見て対処してもうまくいかないことが分かると思います。

姿勢の指導をする施術家の方も多いですが、踵重心の直立姿勢を指導していることがほとんどです。
根づきについてはそもそも体現できている人が少ないため、やり方は教えられても、できているかチェックできる人はほとんどいません。

動画の最後で骨盤を後傾させたまま足裏の体重バランスを取っても可動域は改善しないことを示しています。
骨盤が後傾していると、地面反力が骨盤のところで止まってしまうためです。

「骨盤を後傾させると腰痛に良い」という説もあるようですが、腰のあたりの筋肉を触ってみると、骨盤を後傾させたときに固くなることが分かると思います。
ソファーなどで腰を丸めて座るのは楽そうに見えますが、腰の筋肉に負担をかけているのです。

メルマガ第61回 肩甲骨周りを緩めるポイント

骨の特定のラインやポイントに直交するように触れると周りに緩みが広がります。
この原理を使うと肩甲骨の周りを緩めることができます。

「肩甲骨はがし」という手技がよく使われていますが、筋肉を刺激したり肩甲骨を動かしたりするだけでは実は緩みません。

骨の特定のラインに直交させて触れることができると緩む感覚が生じます。
緩むのを感じるのが難しいと感じる方が多いです。 緩む感覚が分かるとリアルタイムで効果を感じながら施術できるのですが、そうでないと当てずっぽうで施術することになってしまいます。

メルマガ第60回 肩甲骨と腕の動きの連動を意識させる

メルマガ第60回が配信されました。骨の動きを意識させると可動域や力の出方が改善します。今回は肩甲骨にこの技法を応用しています。
本来は腕の動きと肩甲骨の動きの連動を感じながら行いますが、連動が分からなくても効果を出すことができます。

根づき 本当に楽な姿勢とは?

心身楽道では楽な立ち方についてお伝えしています。
最近、このブログで地面反力を通す正中線を通すというワークをご紹介してきました。

さらに足の裏に均等に体重をかけるようにバランスを取ると、力みが抜けて体の重みが地面の下に抜けるような感覚が生じます。
これを根づきと呼びます。

このとき同時に地面反力が身体に通ります。
地面反力が骨に通ると筋力で身体を支える必要がなくなり、力みが抜けます。
特に背中の緊張が取れて楽になります。
この状態を「骨で立つ」と言ったりします。

くるぶし、大転子(太もも横の出っ張り)、耳が一直線に並んだ外見上直立した姿勢が正しい姿勢とされています。
このように立つと踵に重心が載ります。
踵に重心を載せると背中側が緊張するので楽な姿勢とは言えません。

根づきは以前にも解説しましたが、難しく感じる方が多いのでもう一度取り上げます。
バランスが取れたときの感覚が分かりにくいと思います。

体内感覚がある程度敏感なら、地面反力が背骨を通って頭頂に抜ける感覚が分かります。
これが分からない方は呼吸が楽になったり、肩の力みが抜けるのを目安にします。

前後のバランスを取るときに最初はやや大きめに動かすと、前に傾けると体の前側に、後ろに傾けると背中側に緊張が生じることが分かります。
前後のバランスが取れてどちらも緊張が最少になると呼吸が楽になったり方の力みが抜けます。

「肩の力を抜いてください」と言われてもどうしたらいいのか分からないという方が多いのですが、根づきができていると自然に肩の力が抜けます。
動画では掌が内側に向いていたのが外側に開きました。
これが緩んだ状態です。

ほとんどの人が普段は踵に体重をかけていて、背中側が緊張しています。
緊張状態が続くと鈍くなってしまうため、せっかく緩んでも感じられません。

「欧米人はつま先重心の人が多い」とか「日本人はつま先重心の人が多い」という記事が見られますが、どちらも疑わしいと思います。
つま先に体重をかけると特にすねの前側が非常に緊張するため、そんな姿勢で長くは立っていられません。
実際につま先側に体重をかけてみれば分かると思います。

根づきのワークをやってもらうと「意外とグラグラしますね」とよく言われます。
踵に体重を載せると動きがロックされるので安定した感じがします。
根づきにするために踵からつま先の方に体重を移すと、不安定になった感じがします。

ぴったりバランスが取れると足の裏全体で身体を支えている感覚になり、力みが抜けます。
このときは踵重心で立つよりも安定した感覚になります。
重心の位置を議論することがありますが、一箇所に重心を意識するだけでも力みが生じます。
身体感覚に集中することによって瞑想的な状態になるという効果もあります。

根づきについて「踵、母趾球、小趾球の3点に均等に体重を乗せる」と説明しているケースも見られますが、これだとやや前側に重心が偏ってしまい縦アーチのバランスが崩れます。

また、イメージを用いた技法がグラウンディングとして紹介されていますが、イメージだけだと緩まないので地面に引っ張られたような感覚が生じるだけで、力みが抜ける効果が得られません。

メルマガ第59回 肩甲骨が動かない原因は?

メルマガ第59回が配信されました。
「螺旋の方向に皮膚をずらすと緩む」という原理を肩の施術に応用します。
肩甲骨の可動域制限の原因が肩から離れた所にあることが体感で分かります。
緩みを取り切る手前で待っていると、その場所が緩んで肩甲骨が動くようになります。
整体のセミナーやスクールでは僧帽筋などの肩周辺の筋肉の説明とアプローチを教えることが多いのですが、それだけでは不十分だと考えられます。

メルマガ第58回 施術に対する意識を変える

メルマガ第58回が 配信されました。
施術を身体操作として捉えている方が多いですが、操作として行うと相手の体が防御反応を起こしても無理やり動かしてしまうことになります。
ほとんどの人が単純な腕や脚を引く動作すら強引に行ってしまいます。
それでは緊張させて逆効果になってしまいます。
施術を身体との対話と捉えて、常に反応を感じながら行うことで緩ませることができ、施術効果が出ます。
施術に対する意識を変えることが重要なのです。