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真仙明著「ゲームの極意が武術の秘伝」

以前講習会に参加させていただいた真仙明氏が新刊「ゲームの極意が武術の秘伝」を出版されます(10月31日発売)。
無料で2章まで公開されています。
公開されている範囲だけでも普通の武道書より役立つと思います。

真仙明氏は元ゲーマーというユニークな武道家です。
あるゲームで世界トップ10に入るくらいまでいきました。
ゲームの上達の方法論を武道に適用して極めて速く達人レベルに達しました。

武道では突きが当たるとか相手を投げられるとかの大雑把な基準はありますが、できないときにどこが悪いか、という検証方法はほとんどありません。
真仙明氏は検証方法を考えて、それをクリアできるように考えながら練習していきました。
検証方法さえ分かれば、あとはゲームの攻略と同じように検証を繰り返せばよいというわけです。

検証してみると、型どおりに突くと絶対に当たらないなどの発見がありました。
言われたとおりにただ型を繰り返しているのとでは上達速度が全く変わってくるわけです。

相手を投げられるという大雑把な基準すら曖昧になってしまうこともあります。
私がある教室に行ったときに生徒さん同士で投げあっていたのですが、私が受けてみると技がかかりません。
生徒さんたちは年単位で習っているのですが、先生以外は誰もできていませんでした。

どうも受ける側が忖度して倒れてあげるのが普通になっていたようです。
勉強でいうと間違っているのに正解にされたようなものです。
悪いクセがついてしまうので、やらない方がマシです。

手技療法においても痛みが取れたとか可動域が改善したという基準はありますが、動作の一つ一つを検証するという教え方をする人はほとんどいないようです。

先日のメルマガで筋反射テストなどで動作の一つ一つを検証すると良い、と述べました。
心身楽道ではこのやり方でお伝えしています。
これは真仙氏の提唱する上達法と共通しています。

検証してみると、一般に教えられている体重で押したり、体重移動で操作する方法では力みが生じて受け手にダメージを与えます。
これではいくら練習しても上達しないわけです。

合気の目 視線で相手に氣を通し、力を抜く

以前の記事で、手から相手に氣を通して力を抜く技法について紹介しました。

視線を使って相手に氣を通して力を抜くこともできます。
視覚は触覚と似ているところがあり、じっと見られていると何かに触られたような感じがしたりします。

氣を通す技法を使うと、受け手の力が一時的に抜けます。
受け手が氣に敏感なら身体に何かを通された感覚が分かります。
氣を通す側にも氣が相手に通ると同時に自分の目に逆流してくるようなちょっと不思議な感覚が生じます。
このとき、軽い瞑想状態(ゾーン)に入るので、相手の動きが見えやすくなるという効果もあります。

この視線を使った技法については拙著「健康法の極意4」で施術に使える技法として公開しています。
武道に使う場合も原理は同じです。
心身楽道の癒やしの武道は暴力反対のため実戦には興味がありませんが、格闘技などの試合でうまく使えれば有利になります。

なお、心身楽堂では「合気」という言葉は氣を通すことによって相手の力を抜くことを指しています。
これは施術にも武道にも使うことができます。

合気を物理的な技として研究している方もいるようですが、ある程度は技が再現できても限界があると思われます。
また、施術には応用しにくいです。

気のヒーリング効果で相手の力を抜く

心身楽道では「癒やしの武道」を研究しています。
武道で相手を動かそうとする時、まずは身体の使い方を工夫します。
身体操法については「健康法の極意2」で基礎的なことから解説しています。

それに加えて、気でヒーリング作用を起こすことで自分と相手との融合感がある状態になると、相手は力が抜けた感覚になり比較的容易に相手の身体を動かすことができます。

自分が戦意が無い状態、さらには相手に対して優しい気持ちを持つほど融合感が出やすくなります。

動画ではまず小指一本で腕相撲に挑戦しています。
次に親指で相手の掌を押すのに挑戦しています。

あえて身体操作は封印して気を通した効果だけ見ています。

気を通すにはイメージを使う方法や、合気と同じ原理を使う方法があります。後者を心身楽道では「力を抜いて気を通す技法」と呼んでいます。

気を通されてもそれを感じられれば返すことができます(少年マンガみたいですね)。

透明感のある気が通せれば、返そうとしてもできません。
透明感のある気を通すには、相手への思いやりと意識のコントロールが必要になります。
この進化した「透明な気を通す」技法は健康気功講座を一通り学ばれた方に、上級コースでお伝えしています。

コミュニケーションでいうと、何かを命令されると反発したくなりますが、こちらのことまで考えてもらったうえで頼まれると引き受けたくなるのに似ています。
武道も殴ったり蹴ったりではなく非言語コミュニケーションと捉えると、痛いのが苦手な人でも楽しめます。
心身楽道の癒やしの武道は暴力反対です(笑)。

親指で掌を押すのは意味が分かりにくいかもしれません。
押せないということは相手に防御反応を起こさせてしまっているということです。
防御反応が起きると心身が緊張して筋肉は固くなります。
つまり、押せない人にマッサージされると身体が固くなります。
施術家の実力チェックにも使えます。

押せるということは逆に緊張を抜くことができ、筋肉も緩めることができます。

施術も単なる身体操作ではなく、非言語コミュニケーションなんです。
最近、受講生さんがこれを意識したら施術効果がすごく上がったと報告してくださいました。