カテゴリー別アーカイブ: 心身楽道

「北斗の拳」とヒーリング・ウォーキング

先日講習に来てくださったS様によると、私の提唱しているヒーリング・ウォーキングと以前教わっていた中国人気功師の動きが以下の点で似ていたそうです。
・すり足で動く
・上半身が上下しない
・曲線を描く足運び

その先生は細かい歩き方を教えていたわけではないそうなので、浮き身などを意識されていたのかは分かりません。
能の足運びもすり足で上半身は上下しないのですが、足運びは直線的です。

その先生はさらに北斗七星の動きをするように教えていたそうです。
北斗七星の動きというと、世代のせいか「北斗の拳」のラオウとリュウケンの戦いのシーンを思い出します。

ラオウは主人公ケンシロウの兄なのですが、ケンシロウに伝承者争いに敗れたので師リュウケンによって拳を封じられることになりました。
そのときリュウケンが使ったのが「北斗七星点心」という奥義技です。
北斗七星の動きを取ると相手の死角に入れるため、有利に戦えるというものです。
リュウケンもラオウ相手に有利に戦いを進めましたが、持病の発作が出てラオウに敗れてしまいました。

北斗の拳について考証しているサイトによると、この技は中国の宗教儀礼として行われている「禹歩」や八卦掌に伝わる「泥歩」「走圏」といった敵の死角に滑りこむ歩方がヒントになっているのではないかと推定される、とのことです。

上述の宗教というのは道教のようです。
道教では北極星信仰があり、五行帰一という瞑想のときに北斗七星からの気が入ることをイメージする技法もあります。
現代人の我々が想像するより、昔の人は北斗七星に神秘的なパワーを感じていたのでしょう。

北極星信仰は仏教と結びついて妙見菩薩として日本にも入ってきました。
妙見信仰をもとにした手技療法を伝えている方もいらっしゃいます。
北斗神拳と同じく一子相伝だったそうです。

顎関節の可動域を30秒で改善する

当院には顎関節症だけで来院される方はあまりいらっしゃいませんが、肩こりなどで来られた方に話を聞いていると顎関節症にお悩みの方はかなりいらっしゃいます。

食いしばりや噛み合わせなどが原因とされ、マウスピースを入れる治療法が知られています。
整体の考えでは顔は全身の歪みの影響を受けるため、顔だけでなく全身の調整を行います。
自分の経験でも首の調子が悪い方は顎関節も調子が悪いという相関があります。

顎関節の動きはちょっと複雑です。
2cm開ける時は回転運動ですが、それ以上開ける時は下顎骨が前下方に動きます。
こちらの動画でCGで説明されています(英語音声。日本語字幕もありますが、機械翻訳なので英語字幕の方が分かりやすいかもしれません)。

無意識に間違った動きを繰り返すことによって負担をかけている事が多いです。
抵抗をかけてゆっくり戻すことで本来の動きをインプットすることができます。
それにより、短時間で可動域も改善します。

電子書籍「武道に学ぶ一番楽で効果的なトレーニング」

電子書籍電子書籍「武道に学ぶ一番楽で効果的なトレーニング」を出版しました。

既刊の「健康法の極意2 元気玉の作り方」の前半部に加筆修正したものです。

「武道に学ぶ」というテーマで武道に学ぶというテーマで本来の身体の使い方をトレーニングする方法をお伝えしています。

なぜ武道に学ぶと良いのか、というと本来の武道では筋力を使わない本来の身体の動かし方が研究されているからです。
意外に聞こえるかもしれませんが、筋力を使わないほうが相手への作用が大きくなるのです。
本来の身体の動かし方をしていればケガをしたりコッたりすることも少なくなります。

武道を長くやっていても本来の身体の動かし方ができておらず、筋力に頼っている方が多いようです。
本書はシンプルですが一気に上達する鍵になる秘伝的な内容を含みます。
武道に限らず、スポーツやダンスにも応用可能です。

技法としては、前著で紹介した立ち方を基に以下の要素を組み合わせていきます。
・螺旋の動きの意識を深める
・身体の連動性を高め、身体を一つにして使う
・感覚上の重心を下げる
・地面から気を上げ、内側の力に転換する
・気と心の法則を知る

※前作の内容をある程度練習していることを前提にしています。

※本来は直接指導にてお伝えすべき高度な内容が含まれています。

※「健康法の極意2 元気玉の作り方」は加筆修正の内容を反映して改訂する予定です。
しばらくお待ちください。

筋トレせずにパワーアップ(腰の回旋)

以前、背骨を中心に回旋することを意識することで可動域が向上するというワークをご紹介しました。
(参考記事:「ストレッチより身体を柔らかくする(腰の回旋)」)

このワークを行うと力も出やすくなります。
正確には普段は本来の動きをしていないために力を大幅にロスしていたのが、本来の動きをすることでロスが無くなります。

やり方は上述の記事と同じで、背中とお腹を手で挟んで背骨を中心に回すだけです。
つまり、これだけで可動域が向上してパフォーマンスが上がることになります。
特に身体の回旋を多用する野球やゴルフのようなスポーツや武道に効果があります。

このように可動域とパフォーマンスが両方上がるのが本来ですが、スポーツの世界では「試合の前にストレッチするとパフォーマンスが落ちる」という説が最近広まっているようです。
クロアチアのザグレプ大学の「45秒以上同じ筋肉をストレッチすると筋力、瞬発力が低下した」という研究結果が元になっています(参考記事:エキサイトニュース)。

実はこれはストレッチのやり方次第で、ほとんどの人はパフォーマンスが落ちるようなストレッチをしていますが、パフォーマンスが上がるストレッチのやり方もあります。
なお、「ラジオ体操のような動的ストレッチならいい」という説もありますが、それとは別の話です。

気功健康法教室 心身楽道では本来の動きをインプットするワークやパフォーマンスを上げるストレッチのやり方をお伝えしています。

30秒で肩こり改善

頚椎や腰椎について本来の動きをインプットすることで可動域が改善したり、力が出やすくなるというワークをご紹介してきました。
同様の原理で肩甲骨も本来の動きをインプットすると可動域が改善し、力が出やすくなります。

肩甲骨の動き
1.腕を挙げて可動域をチェックします。
本来の動きはやや斜め前に挙げる動きになります。
これで顔につく人は真横に挙げてみてください。

2.肩を挙げる動きをします。このとき反対の手で肩を押さえて邪魔をします。
戻す時は本来の動きが現れますのでよく動きを観察してください。

3.2を数回繰り返します。
体幹を中心に回すような動きになると動かしやすいのがわかると思います(図)。
また、肋骨の形にそってやや前側に挙げたほうが動かしやすいです。

4.再度腕を挙げて可動域をチェックします。
最初より挙げやすくなっているはずです。

動画では力を入れてパッと抜く、よくあるワークも比較で行っていますが、逆に硬くなってしまっています。
真上に挙げるというのは本来の動きから外れているので、マイナスの効果になってしまっているのです。

全身の関節に本来の動きをインプットするとそれだけで身体の動きが非常に良くなることが想像できると思います。
詳しくは心身楽道の講習でお伝えしています。

(画像はFreeDigitalPhotos.netのyodiyim のご厚意で使用しています。)

ハンドパワー、遠隔治療の秘密

以前「しくじり先生」でMr.マリックが「ハンドパワーはウソだった」と告白して話題になりました。
今でこそ「知ってた」と言われそうですが、テレビに出始めの頃は「超魔術」という超能力と紛らわしい演出だったため、詐欺師呼ばわりされたこともあったそうです。
それくらいマリックさんのレベルは当時としては飛び抜けていた、ということでもあります。

マリックさんでも離れた場所に物理的な作用を及ぼすことはできませんが、気の世界では人は無意識に作用しあっています。
作用としては「緊張させるか、リラックスさせるか」のどちらかです。
リラックスすると姿勢が安定するなど健康にプラスの効果があります。

触れずにリラックスさせる実験をしてみました。
あぐらで座っている人を横から押すと普通は簡単に倒れます。
これを少し離れた所から、倒れないようにしてみます。
ハンドパワーっぽいです(笑)。

遠藤喨及氏が体系化した「気のワーク」では利他的な想いを持つとリラックスして身体が安定することを体験します(参考図書:「気心道」)。
原理はこれと同じです。

リラックスというと背もたれに寄りかかってダラ~としているのを思い浮かべるかもしれませんが、芯はしっかりしていて他は力が抜けている状態です。
動画のように横から押しても倒れないというのがリラックスしている目安になります。

リラックスさせると骨格も整うので、一見すると触らずに骨を動かしたりしたように見えます。
私も以前遠隔治療に関する記事を書いて実演しています。
触れない治療は知らないと不思議に感じますが、原理は実は「リラックスさせる」ことです。

治療においては受け手をリラックスさせられることがテクニック以前の基本になりますが、ほとんどの施術家はそれ以前に自分自身がリラックスできていません。
施術者が緊張していると、受け手にはダメージを与えてしまいます。

触れない治療よりも触れたり圧したりする方が効果が大きいのですが、緊張させてしまった時のダメージも大きくなります。
従って、触れない<触れる<圧す、といった順に難しくなります。

マッサージは簡単だと考えている人が多いのか、チェーン店だと未経験者を2週間だけ研修してお客さんにつかせるところが多いです。
そんな素人の施術でもある程度は気持ちよく感じるのは、一旦痛みを感じてそれから解放された時の気持ちよさを感じるためです。
ベテランならいいかというと、何年やっていてもリラックスさせられる原理を知らないと治療効果を出せるようにはなりません。

リラックスは治療に限らず歌唱などの発声や楽器演奏、ダンスなどの表現においても重要です。
本人が緊張していると、見たり聞いたりしている側は無意識に不快感を感じます。

リラックスさせるための原理やメソッドは専門家にもほとんど知られていません。
ご興味のある方は心身楽道までお問い合わせ下さい。
リラックスさせるのはもちろん、次のステップである癒しの気を満たす段階まで短期間でマスターできるようにプログラムしています。

筋トレせずに力を強くする(動きの中心を意識する)

心身楽道(気功・整体教室)では関節の本来の動きをインプットする、というワークを行います。
普段の動きと本来の動きでの力の出方の違いに驚かれる方が多いです。
本来の動きができていないと力が出にくくなり、長期的には不調や故障につながってしまいます。

今回は動きの中心を意識すると力が強くなる、というワークを紹介します。
心身楽道では腰仙関節(背骨と骨盤の間、図を参照してください)を動きの中心と見なします。
その付近を触りながら動かすことで動きの中心の感覚が出ます。
「丹田」を意識しても同じような効果がでますが、解剖学的な部位ではないので分かりにくいと思います。

前回、背骨を中心に回すというワークを紹介しましたが、今回も背骨を中心に回します。
さらに前後屈、側屈も少し行います。
これらの運動は腰仙関節を意識すると力が出やすくなります。
なお、上半身も背骨だけ動いているわけでなく、股関節なども大きく関わっています。

健康番組を見ていると「筋肉に負荷をかけて鍛えよう」という健康法が多いですが、本来の動きをインプットしようというメソッドは見たことがありません。
トレーナーのなかには「マシンでの筋トレはあまり意味が無い」という人もいますが少数派のようです。
マシンによる筋トレは関節本来の動きを考慮しておらず、健康に良いといえるものはほとんどありません。

本当の健康法を学びたいという方は心身楽道までお問い合わせお待ちしております。

ストレッチより身体を柔らかくする(腰の回旋) 

前回体軸について書きましたが、背骨を意識して回旋することで可動域が向上します。

動画の前半は首の可動域を改善したのと同じやり方です。
回すときに少し側屈の動きが入る本来の動きがインプットされます。
だんだん手が押される力が強くなることがわかると思います。
数回行うと可動域が向上しています。

後半は背骨を中心に回旋することを意識することで可動域が向上しています。
腰椎は体の中心より少し後ろにあります(だいたいお腹側2:背中側1の位置)。
手で身体を挟んでいるのはそのほうがどこを中心に回しているか意識しやすくするためです。
内側をより感じるようになるトレーニングも治療家向けの講座ではお伝えしています。
本来の動きをインプットすることで可動域が向上し、力も出やすくなります。

もちろん両方行ってもよいし、そのほうが効果がでます。

体軸感覚は自分で養える

最近、トレーナーが身体に触れて体軸を整えるというテクニックの話を聞きました。
調べてみるとかなり高価ですが、比較的長期間にわたって効果が保つそうです。

体軸を整えるテクニックも良いところがあると思いますが、本来は自分で体軸感覚を養成していくべき、というのは異論が無いところだと思います。
自分で体軸感覚を養成するには身体感覚に注意を向けて練習をするしかありません。

そもそも体軸というのが何なのかは人によって定義が違っていたりします。
体軸に関する著書も多い高岡英夫氏は身体の中心を貫く真っ直ぐな仮想の線である「センター」を体軸としています。
著書の中で内踝の下の「ウナ」というポイントを刺激するトレーニング方法を紹介されています。
これを行うと地面から力が体の中を上がっていく感覚があります。
(地面反力といって地面を踏んだときの反作用で上がってくる力)

センターは肉体の外部を通ったりするので完全に意識するのは難しいのではないかと思います。
また、土踏まずの一点に意識を集中するというのは不自然な感じがします。

中島章夫氏は体軸という言葉は使っておらず「骨を骨なりに積み上げて立つ」という言葉を使っています。
骨の感覚は普段意識できないかもしれませんが、慣れてくると骨なりに立てているか分かるようになってきます。

回旋動作も背骨を中心に行われるので、個人的には骨なりに立ったときに地面反力が通る経路である背骨を体軸と見なしたほうが感覚的に分かりやすいのではないかと思います。
高岡氏のセンターとは異なっていますが、要は軸の感覚があって効果が出ればいいわけです。
骨なりに立てていない人はどこかで力んでいるので、体軸をどうこう言っても意味がありません。

足への体重のかけ方について、中島氏は「足の接地する部分に均等に体重がかかる」と書いていますが、別のところでは足の甲の中心に体重を載せる前重心を推奨しています。
この二つが同じかどうかはちょっとはっきりしません。

気功や仙道を日本や欧米に紹介した謝明徳氏は足の接地面に均等に体重を載せることを「根づき」と呼んで重要視していました(参考図書:「鉄布衫功」)。
参考図書には根づきを達成するための方法は詳しく書かれていません。
根づきができると浮いたような感覚になるので「浮き身」と呼ぶこともあります。
さらに、余計な力みは抜けて骨なりに立っている状態になります。

河野智聖氏は身体をこする操作によって「浮き身」に近づける手法を紹介しています。

まとめると、
・高岡氏:足裏の「ウナ」を意識して、「センター」を作るメソッドを紹介した。
・中島氏:「骨なりに立つ」、「足の裏に均等に体重を載せる」ことについて言及している。
・謝氏、河野氏:足の裏に均等に体重を載せる浮き身/根づきについて言及している。
・浮き身、根づきができると骨なりに立てるが、自分で調整する方法は記述が見つからない。

心身楽道では他のメソッドを応用して浮き身/根づきの練習法を開発しました。
地面反力を頭に通す感覚を養成した後に、前後、内外のバランスを取ることで根づき/浮き身を習得していただいています。

1)踵の中心を刺激して地面反力を頭に通す感覚を養成します。
踵の中心を刺激するのは「ウナ」よりも地面反力が伝わる感覚が分かりやすいためです。
ただし、踵重心になっているため若干不安定です(右図の左)。

2)1の状態を維持したまま前後、内外の方向で正確にバランスを取ると、重みが下に抜けると同時に身体が浮くような感覚が得られます。つまり、浮き身/根づきの状態になります。
このときは後ろ側に荷重がかかっても安定しています(図の右)。

正確にバランスを取るところがちょっと難しいのですが、直接お伝えした場合はほとんどの人はその場でできるようになります。
さらに2~3週間練習を続けていると瞬間的に浮き身/根づきの状態にできるようになります。
詳しくは心身楽道のサイトか、拙著「ヒーリング・ウォーキング」をご参照下さい。

私の行っている施術では受け手の方の「気の状態」を良くしているのですが、気の状態も自分で良くすることができます。

浮き身/根づきを基礎として、螺旋の意識、身体の連動、呼吸法、心のあり方など種々の要素が含まれるので習得に時間はかかりますが、気の状態をよくできるほぼ唯一のメソッドですのでその価値は十分にあると思います。

時間がかかるといってもエッセンスを凝縮しているので70分の講習を6回で一通り学べます。他の気功教室などに比べると非常に速く上達できるシステムになっています。
ご興味のある方はお問い合わせ下さい。