カテゴリー別アーカイブ: 心身楽道

浮き身/根づき/統一体

足のアーチ最近の記事で「浮き身」を前提にしたワークをいくつか紹介しています。
これ抜きで健康法、武道、手技療法などはありえないくらいの基本なのですが、できている人はあまりいません。

当院の気功講座「心身楽道」では初回に浮き身を体験していただいていますが、難しいと感じられる方もいらっしゃいます。
浮き身については心身楽道のサイトにも書いていますが、母趾球、踵、小趾球の3点の荷重が同じになるようにバランスを取ります。

これにより図のような足の縦アーチ(内側、外側の2つ)と横アーチのバランスが取れて最も効率よく体重を支えられるようになっています。
カメラの三脚も一つの脚に少しでも重さが偏ると途端にバランスが悪くなりますが、それと似ています。

足に体重を預けられると全身の力が抜けて、楽になります。
身体が浮かんでいる感覚と、根づき(グラウンディング)の重みが地面に抜けていく感覚が同時に生まれます。

昔は下駄などでバランス感覚を鍛える身体文化があったのですが、それが失われた現代では意図的にバランス感覚を鍛える必要があります。
バランスを取るのは普通に思っているより丁寧に感じながら行わないとできません。
これを動画で示しますが、予想通り非常に地味な動画になってしまいました(笑)
動画のように外見上はほとんど動かないくらいのレベルで微調整していきます。

これができると身体を一つにして使うことができます(統一体と呼ぶことがあります)。
動画のように腕を前に出すと身体もついて来ます。
動画では説明していませんが、螺旋/バネの力も働くようになるので、片足に重心を移すだけで身体が前に進みます。
これを繰り返すと平地なのにゆるい坂道を下りているような感じで、筋力はほとんど使わずに歩くことができます。
これが私の提唱しているヒーリング・ウォーキングです。
より詳しくは拙著をご参照ください。

つま立ちのすすめ

爪立ち当院で行っている気功講座、心身楽道では爪立ちの座法で行うワークがいくつかありますが、爪立ちで座れない方が時々いらっしゃいます。
タオ指圧/気心道も爪立ちの動作が多いのですが、最初のうちは足が痛くなるという方がいらっしゃいます。私も一時期痛くなりました。
足の指を反らす動き(背屈)が非常に硬くなっているのですね。

昔はしゃがむ姿勢や雑巾がけなどで足の指を反らす機会が豊富にありましたが、現代は反らさなくても生活には支障なくなりました。
数十年したら「昔の人はこんな姿勢ができたのか」と言われてしまうのかもしれませんが、本来できることは身体文化として残していきたいものです。

つま先立ちと踵を下ろすのを数回繰り返すだけで「骨で立つ」「身体を一つにして使う」感覚がつかみやすくなります。
以前、NHKの「アサイチ」で藤平信一さんがこのワークを紹介されて、ワークの後は荷物が軽く感じるという実演をされていました。

蹲踞(そんきょ)を健康法として紹介しているサイトがありました。
これも本来はできて当たり前なのですが、難しいと感じる方が多いのではないかと思います。
浮き身ができている方は練習してみると良いと思います。

癒しの武道 発勁/寸勁の原理

自分の拳と相手との距離がほとんど無い状態から相手を打つ「発勁」をマンガなどでご存知の方も多いと思います。
(正確には至近距離からの発勁のことで「寸勁」というようです。ブルース・リーのワンインチ・パンチも寸勁と似たものだそうです。)

ネットでやり方や原理の説明を調べても具体的な記事はほとんど無いようです。Yahoo!知恵袋に「勁を蓄えて、力を抜くことで勁を発する」という主旨の回答がありますが、これだけでは分かりにくいと思います。
Youtubeにも発勁の原理を説明している動画がありますが、分かりやすいものは見つかりませんでした。

マンガだとかなり誇張されていますが、ワンインチ・パンチの動画を見ると分かるように実際には身体を使って打っています。
Wikipediaを見ると、「一般の武術に関する書籍に紹介されている発勁(とされているもの)は体重の移動による『突き飛ばし』であるが、これらは発勁の構成要素の一部であり発勁そのものではない」、「格闘技における殴打技とは、根本的な身法が大きく異なる。」とあり、どうも体重を載せて打っただけの打撃とは根本的に違うようです。

実際に押された人の感想としては「急にすごく異質な押され方したよ!という感触で、ちょっと言葉にしがたい」というのがありました。
普通に体重移動で打ってもこういう感想にはならないと思います

手技療法の押圧の原理が発勁の原理と共通していると思われるので、説明してみたいと思います。

1 ポジティブな想いを持つ
ポジティブな想いというのは「相手の幸せを願う」とか「世界に良きものを与えたい」という利他的な心です。
このような心を持つことで身体に気が満ちて余計な力が抜けます。

心によって技のかかり方が変わることはタオ指圧創始者である遠藤喨及さんの著作に記されています(参考図書:「気心道」など)。
技をかけるため、という不純な動機でポジティブな思いを持つと邪気になりますので注意しましょう。

物理的に押そうとすると、相手に防御反応が働いて力がぶつかる状態になってしまいます。
パラドックス的ですが、相手にダメージを与えるという格闘技的な意識と真逆の方が相手を動かせます。
合気道の創始者、植芝盛平翁(故人)も「争う心のある人間は、はじめから負けているのである」とおっしゃっています。

2.重心を下げる

重心を下げるには浮き身ができていることが前提になります。
脚の螺旋の力を地面にねじ込んでいくようにします。

螺旋の力については心身楽道のサイト、より詳しくは拙著「ヒーリング・ウォーキング」をご参照ください。

重心を下げるときに太ももに力を入れてしまう方が多いですが、力みがあると相手に作用させにくくなります。

重心を下げた時に、手には相手を押す力が働き抵抗を感じると思います。
手に力を入れて押したくなりますが、力を抜いて相手の力を受け入れ、その力でさらに重心を下げていきます。
これにより力(勁)がたまっていきます。

3.重心を下げるイメージは維持して、力を抜く

これ以上重心を下げられなくなったら、重心を下げるイメージはそのままで力を抜くと、さらに重心が下がると同時に溜めていた力(勁)が手から解放されて相手が動きます。

以前の記事の「気を入れて力を抜く」と同じ原理ですが、ちょっと難しいかもしれません。

力を抜くと相手の防御反応も無くなって気が通りやすくなっているので簡単に動きます。
押された側は物理的に押されたのは異なる感じを受けると思います。
これはいわば「癒しの武道」なので、受けると気持ちがいいし、やる方も癒しの力がつきます。

手技療法においては力むと相手に防御反応が起こるので、力まずに動くことが必要です。
現状は筋力や体重で圧す人がほとんどで、このような原理を知っている人もほとんどいません。

格闘技的に相手にダメージを与える技を知りたいと思って読まれた方もいらっしゃったかもしれませんが、壊す方には興味が無いので悪しからずご了承ください。
「Dr.Fの格闘技医学」という本に「強くなりたい、と思って格闘技や武道を始めたはずなのに、怪我や障害で人間として弱くなってしまう人が多い」とありました。

癒しの気功、心身楽道は健康になり「勁(つよ)く」なる原理、メソッドを分かりやすくお伝えしていますので、ご好評いただいています。
講習は基本マンツーマンで、お好きな時間を予約していただくフリータイム制です。

らせん体操(下半身と上半身の連動)

足の裏に均一に体重を載せる「浮き身」ができると、螺旋の力が働き地面反力を効率的に使うことができます。
(詳しくは心身楽道のサイト、より詳しくは拙著「ヒーリング・ウォーキング」をご参照ください。)

腕にも同様に螺旋の力が秘められています。
「肘を伸ばしてください」というと、直線的に伸ばす方が多いですが、楽な動きを探っていくと、ひねる動きが入るのが自然だと分かります。動画をご参照ください。

何度かひねりながら伸ばすのを繰り返してから、もとの真っ直ぐ伸ばす動きに戻そうとすると、伸ばしにくいと感じると思います。
施術家でも肘や膝の操作を行う時に直線的な動きで行っている人が多いですが、身体に余計な負担をかけているだけになってしまうことがわかると思います。

肘を曲げるときも螺旋を意識すると、たとえば物を持つのが楽になります。
動画では脚と腕の螺旋の動きを連動させることで力を効率的に伝えられることも示しています。

身体の動きをシンクロさせる

治療でも武道でも一箇所の動きが全身の動きの結果として起こる時に効果が得られます。
私の学んでいるタオ指圧/気心道では全身を同時に動かすことをシンクロといい、その時に気が出ることを明らかにしています。
身体を一つにして使う、とか統一体と呼ぶこともあります。
できていないと逆効果になることもあるのですが、治療家で出来ている人はあまりいません。
そもそも普通はそこまで教えないようですし、知っていてもできるとは限りません。

前回の記事「気を入れて力を抜く」のようにイメージで腕を伸ばすなどした後に力を抜くと、反動で身体が勝手に動くような感覚になります。
このときは力が抜けてシンクロした動きになっているので他の人が邪魔をしようとしても止められません。
なお、無意識に力みがあると途中で止まったりします。

これはあくまでも練習方法で、実際には反動を使わなくてもシンクロさせて身体を動かせるようにしておく必要があります。

当院で行っている気功/整体教室 心身楽道では健康や施術の極意を少人数でお伝えしています。最近治療家以外の方のお問い合わせ、ご参加も少しずつ増えてきています。

気を入れて力を抜く

武道や手技療法など色々なところで「力を抜きましょう」と聞くと思いますが、この力を抜くというのがなかなか難しいものです。

武道だったら相手を動かさなければならないし、指圧やマッサージなら相手に手指で圧を加えるので、力を抜いたらできなさそうな気がします。

高岡英夫氏が「ゆるむとたるむは違う」と書いているようです。
高岡氏とは解釈が違うかもしれませんが、ここでは
緩む=「気を入れて力を抜く」
弛む=「力も気も抜く」
と解釈します。
検索してみたら書家の武田双雲さんなどが同じことを書かれていました。

この違いを体感的に分かるようなワークを紹介します。

腕に気が流れているイメージをすると人が肘を曲げようとしても曲がらなかったり、ねじろうとしてもねじれなかったりする、というのは気功や合気道の教室で体験された方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは一歩進んで「気が流れたイメージを維持したまま力だけを抜く」ということをしています。

力を抜くことで全身を一つに使えるようになり、ねじりに来た相手をはね返しています。

これができるためには気(イメージ)で伸ばしている感じと、力で伸ばしている感じが分離できていないといけませんが、そこがちょっと難しいかもしれません。

これから紹介する予定の呼吸法やストレッチなどの基本になるので是非マスターしていただければと思います。

誰でも出来るヒーリング 心身一如編

身体イメージ浮き身やヒーリング・ウォーキング(楽歩)の練習を続けていると、身体が緩んできて身体が水で出来ているような感覚になります。
参考記事)
浮身について
ヒーリング・ウォーキング(楽歩)
より詳しくは電子書籍「ヒーリング・ウォーキング」をご参照ください。

さらに緩んでくると、足以外はほとんど重さを感じず、足底だけオモリがついている風船のように感じることもあります。

このような身体感覚が得られるまでに数週間かかることもあります。
補助練習として身体イメージとESR(エモーショナル・ストレス・リリース)を組み合わせると、容易に上記の身体感覚、さらに深い身体感覚が得られます。

次のA、Bのイメージで胸に手を当てたときの感覚に集中します。
以前ご紹介したほかのセルフテストでもよいです。
動画では筋反射テストを行なっています。

1.身体は固体か液体か
A)身体は固体だと思う(肉とか骨のイメージ)
B)身体は液体(水)だと思う。

Aは重いとか苦しい感じがして、筋反射テストだと力が入らないはずです。
Bはそれより楽で、筋反射テストで力が入るはずです。

セルフテストは潜在意識に一致するとリラックスして楽になったり力が入ったりします。
身体は固体だと認識している方がほとんどだと思いますが、潜在意識は身体を固体だと認識していないのですね。

以前ご紹介したエモーショナル・ストレス・リリーフの応用で、思い込んでいる認識をクリアします。

ESRおでこに手を軽く当てます。
できたらちょっと出っ張った所を探して触ってください(前頭隆起)。

おでこに触ったまま、1と2を5秒おきくらいに繰り返します。
1のイメージをしても苦しくなくなったら終了です。

2.身体は液体かエネルギーか
A)身体は液体(水)だと思う。
B)身体はエネルギーだと思う

やり方は同じです。
エネルギーだと思うと、液体と思ったときよりさらに軽い感じになるはずです。身体のなかに上昇気流があるように感じるかもしれません。

3.身体はエネルギーか心か
A)身体はエネルギーだと思う。
B)身体は心そのものだと思う

やり方は同じです。
身体は心だと思うと、身体の境界が無くなったような感覚があるかもしれません。
電子書籍にも書きましたが、体感が敏感になってくると心身一如ということが体感的に分かります。
タオ指圧では一番最初に「身体は心である」という気のワークを行います。

「ヒーリング・ウォーキング」電子書籍出版しました

AmazonのKindleダイレクト出版で「ヒーリング・ウォーキング」を出版しました。
以前当ブログで「楽歩」という名前で紹介していた記事をまとめ、加筆、修正したものです。書き直しだすと色々気になって結構時間がかかってしまいました。

体感を元に楽な状態を追求していくと、今までの健康法の常識がひっくり返されます。
本来はマンツーマンで直接お伝えするような内容なので、文章だけだとちょっと難しい部分もありますが、できればかなり効果は期待できます。
体験講習も行っているので、ご興味のある方は心身楽道のコースのページをご参照ください。

次回作は呼吸法を中心に書く予定です。また本書の英語版も作成予定です。

セルフヒーリング 身体イメージ編

水人間浮き身やヒーリング・ウォーキング(楽歩)の練習を続けていると、身体が緩んできて身体が水で出来ているような感覚になります。
参考記事)
浮身について
ヒーリング・ウォーキング(楽歩)

さらには足以外はほとんど重さを感じず、足底だけオモリがついている風船のように感じることもあります。

このような身体感覚が得られるまでに数週間かかることもあります。
補助練習として身体イメージを利用すると、容易に上記の身体感覚が得られます。

次の1,2のイメージで胸に手を当てたときの感覚に集中します。
以前ご紹介したほかのセルフテストでもよいです。

1)身体は固体(筋肉とか骨のイメージ)だと思う。
2)身体は液体(水)だと思う。

1は重いとか苦しい感じがして、2はそれより楽になるはずです。
セルフテストは潜在意識に一致するとリラックスして楽になったり力が入ったりします。
身体は固体だと認識している方がほとんどだと思いますが、潜在意識は身体を固体だと認識していないのですね。

以前ご紹介したエモーショナル・ストレス・リリーフの応用で、思い込まされている認識をクリアします。

ESRおでこに手を軽く当てます。
できたらちょっと出っ張った所を探して触ってください(前頭隆起)。

おでこに触ったまま、1と2を5秒おきくらいに繰り返します。
1のイメージをしてもあまり苦しくなくなったら終了です。

「身体はエネルギー」だと思って同様のワークを行うと、さらに身体感覚が軽くなるはずです。

まだ先があるのですが、今回はこの2つを是非お試しください。

楽歩と螺旋の力

心身楽道で提案している「楽歩」では足が勝手に進むような感覚が得られます。
普通に歩くときも踵を転がすことで多少は勝手に進む感覚が得られますが、階段を上がるときは多少なりとも足で蹴って上がるか、やじろべえのように身体を傾けながら上がるしかありません。

他の人に肩を押さえつけられると普通の歩き方では上がれませんが、蹴らない楽歩だとあまり抵抗を感じずに上がることができます。

高岡英夫氏の「意識のかたち」には高岡氏が「ジンブレイド」と名付けたディレクター(高岡氏の造語で、身体意識の構造を構成する因子)が紹介されています。
形としては足から体表を螺旋状に上がっていく線で、経絡の腎経と似ているためそのように名付けたとのことです。
ジンブレイドを意識することで心身ともにリラックスし、最高のリラクセーションができる。イチローや合気道の塩田剛三氏(故人)、カール・ルイスなどはジンブレイドが発達しているため超人的なパフォーマンスを発揮できた、と主張されています。
特に塩田剛三氏は高岡氏との対談中に手でジンブレイドを示すことができたそうです。
江戸時代の絵を見ると、宮本武蔵などの武芸者だけでなく、舞い手など多くの人がジンブレイドを有していた事がわかるそうです。
ただし、「意識のかたち」ではジンブレイドを体感する方法は書かれていません(ほかの本に書かれているようです)。

心身楽道では、浮き身の状態にすることでリラックスし、自然に螺旋状の力が感じられます。
浮身については心身楽道のサイトをご参照ください。
螺旋の力は骨自体を動かす力と体表上の線と両方あるように感じられます。
ジンブレイドと同じものかは分かりませんが、螺旋状の力を利用することで階段を上がるなどの動作を楽に行うことができます。

骨の模型を見ると、骨自体や関節がねじれていることに気が付きます。
そもそも人体は螺旋の力を使うように設計されているのです。
西洋生まれの運動学ではこの点がほとんど考慮されていないようですが。

高岡氏は「ゆるウォーク」という歩き方の本も出されていますが、普通の歩き方を元に脱力するうので変わった歩き方になります(高岡氏がテレビ出演したときの動画)。
普通の歩き方の場合、無意識に骨盤などを固めて安定させているので身体は力んだ状態なのです。
楽歩では蹴らないことで脱力して、かつ安定した歩き方を実現しています。